2024年度前期連続テレビ小説の主演が決まった伊藤沙莉(NHK提供)

NHKは22日、2024年度前期のNHK連続テレビ小説のタイトルが「虎に翼」に決まったと発表した。女優、伊藤沙莉(28)がヒロインを演じる。伊藤は2017年の「ひよっこ」以来2度目の朝ドラ出演となる。

朝ドラ110作目となる「虎に翼」は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった三淵嘉子(みぶち・よしこ)さんをモデルとし、再構成してフィクションとして描く。困難な時代に道なき道を切り開き、迷える子どもや追いつめられた女性たちを救っていく、というリーガルエンターテインメントで、実話に基づく骨太なストーリーを追いながら事件や裁判が見事に解決されていく爽快感を一緒に味わえるという。

モデルの三淵さん(1914-1984)は明治大学専門部女子部法科で学び、1938年に高等文官試験司法科に合格、日本で初めての女性弁護士の一人となった。戦後はそれまで女性への門戸が閉ざされていた裁判官への任官を目指し、裁判官採用願を司法省に提出。司法省で民法の改正と家庭裁判所の設立に携わりながら、1949年に裁判官となり、後には女性として初めての裁判所長も務めた。

タイトルの「虎に翼」は中国の法家『韓非子』の言葉で、「鬼に金棒」と同じく「強い上にもさらに強さが加わる」という意味があるという。五黄(ごおう)の寅年生まれで〝トラママ〟と呼ばれたというモデルの三淵さんにちなみ、主人公の名前は寅子(ともこ)、あだ名は〝トラコ〟。法律という翼を得て力強く羽ばたいていく寅子が、その強大な力にとまどい時には悩みながら、弱き人々のために自らの翼を正しく使えるよう、一歩ずつ成長していく姿をイメージしているという。

脚本は『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』『君の花になる』などを手がけた吉田恵里香氏。2022年によるドラ『恋せぬふたり』で第40回向田邦子賞を受賞した。

伊藤は子役から活動を始め、卓越した演技でシリアスからコメディーまで活躍。ギャラクシー賞テレビ部門個人賞、ブルーリボン賞助演女優賞、山路ふみ子女優賞、文化庁芸術祭放送個人賞など多数の賞を受賞。近年の主な出演作は映画「ちょっと思い出しただけ」、「月の満ち欠け」、フジテレビ系「ミステリと言う勿れ」、NHK「拾われた男」「ももさんと7人のパパゲーノ」、テレビ朝日系「キッチン革命」、舞台「首切り王子と愚かな女」、「世界は笑う」など。兄はお笑いコンビ、オズワルドの伊藤俊介(33)。

◆「虎に翼」あらすじ

昭和4年(1929)、日本初の女性専門に法律を教える学校ができます。そこへ集ったのは、当時の日本のどこにも収まれない、溢れ出す何かを抱えた女性たちでした。この物語の主人公・猪爪寅子も、そんな収まれない女性。周囲から“魔女部”と陰口を叩かれた女性だけの学び舎で、彼女たちは自らの道を切り開くため法律を学んでいきます。昭和13年(1938)、卒業生から日本初の女性弁護士が誕生します。寅子もその一人として日本中から注目され憧れの的になります。しかし弁護士として意気揚々と世に出た彼女たちを待ち受けていたのは、戦争へと突き進んでいく日本でした。法学という社会に羽ばたく翼を得たはずが、それを使える場は急速に消えてしまいます。昭和20年(1945)、焼け野原に立つ寅子は全てを失っていました。明日生きるため頼れるのは、かつて学んだ法律だけ。彼女は裁判官になることを決意。戦争で親を亡くした子どもや苦境に立たされた女性たちのため、家庭裁判所の設立に奔走することになります。そして、寅子はついに裁判官になります。彼女とその仲間たちは、政治でも経済でも解決できない、追いつめられた人々の半径5メートルの世界を見つめ、その苦境から救うため情熱をもって向き合っていきます。

◆猪爪寅子(伊藤沙莉)の役柄

大正3年(1914)五黄(ごおう)の寅年に生まれ、寅子(ともこ)と名付けられる。女学校の卒業を迎えた年、お見合い結婚を勧める母親を振り切って、女性に法律を教える日本で唯一の学校への入学を決意。そこで出会った仲間たちと切磋琢磨し、やがて日本初の女性弁護士となる。世間知らずで自信家の所もあるが、全てに全力の人。弁護士として、裁判官として、一歩ずつ成長していく。あだ名は“トラコ”。

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